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    [292] 子供の矯正について 反対咬合をなおすわけ

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      ・投稿者/ あんず -(2001/10/12(Fri) 10:01:10)
      ・U R L/


        はじめまして。現在小2の息子の反対咬合のことでご相談させていただきます。
        息子は血液の病気もありまして 現在経過観察中です。
        乳歯の時から 上の前歯が2本とも反対咬合でした。永久歯に生え変わるときに
        戻るかもといわれ そのままにしていましたが 永久歯が生えてきても
        なかなか乳歯が抜けず 3ヶ月ぐらい永久歯の上に乳歯がかぶさるような
        状態でした。抜歯を考えてかかりつけの病院の先生にも相談したのですが
        そのときPLTが3万台だったこともあり 自然に抜けたほうが出血もすくなくて
        きれいですよといわれ そのままにしていました。
        最近ようやく乳歯が抜けたので 再び病院で相談すると このままほっといても
        よくはならないから 早いうちに歯列矯正をしたほうがよいといわれました。
        ただまだ成長期の段階なので 一度はうまくいっても また中学生ぐらいになって
        元にもどる場合もあるのでとおっしゃっていました。
        主人に相談すると 現病(血液の病気)もまだ治療途中なのに あちこち手をひ
        ろげすぎても 中途半端になってしまうから現病がなおってからでもよいのではとか
        反対咬合でなんの不都合があるのかといわれ うまく説明できなかったもので・・・
        病院では相談だけで 実際の治療はできません。近くの矯正歯科を紹介されたのですがまだいっていません。
         
        反対咬合をなおさないとどうなるのか?
        矯正を始めたら 一気にやり遂げたほうがよいのか?
           (期間としては 半年から1年ぐらいかかるといわれました)
        費用はどのくらいかかるものなのか?
        診察を受けるとしたら矯正専門のほうがよいのか?
           (紹介をうけたところは矯正のみで 虫歯はほかの歯科にいくことになります。
            それもなんだかあちこち大変かなと思ってしまったのですが・・)
         
        長くなってすみません。宜しくお願いします。


      [293] Re[1]: 子供の矯正について 反対咬合をなおすわけ

      質問引用返信

      [294] Re[1]: 子供の矯正について 反対咬合をなおすわけ

      質問引用返信

        ・投稿者/ 小石川矯正歯科クリニック -(2001/10/15(Mon) 16:35:41)
        ・U R L/ http://www.koishikawa .com

          連絡が遅れすみませんでした。さて、血液の病気を持つ反対咬合のお子さんということで相談を受けます。
          <症状、その対応?>
           小学校2年の男児、反対咬合、血液の疾患(おおよその見当はつきます)、かかりつけの先生から反対咬合の治療を勧められている。注意としては抜歯などによる出血等。
           反対咬合の治療の多くは、小学校のうちの上下顎骨の成長発育をコントロールする事ができる時期がよいと考えられます。といいますのも、反対咬合の原因は大きく分けて3つあります。
          1.上下顎骨の大きさが不調和で(例:下顎骨が上顎骨に比べ大きい発育能力を持つような場合)顔が変わる小学校から中学校までに治療を受けた方がいい場合。ーー顎の成長発育能力の差が原因。
          2.上下顎骨の成長発育状態は良好であるが、前歯の傾きなどにより反対咬合が生じてしまうような場合(これはよくいわれる、アイスの棒を加えていれば何とかなるわよ、というような状態を含む)。ーーー歯の傾きなどが原因
          3.この2.にも関係しますが歯をかまずにいると、受け口のような状態はないが噛み込むと反対咬合の状態になってしまうーーー顎の機能的な動きが原因に加わる

           等々、があります。
          <そこで今の年齢で治療しないと遅くなるか?>
           このことについては、もし上下顎骨の成長発育能力の不調和が存在するとなれば、小学校のうちに治療を行うのが得策と考えら得ます。この時の治療は考え方ですので、たとえば上顎骨の成長発育能力(前方への)を引き出すような装置(上顎前方牽引装置じょうがくぜんぽうけんいんそうち)を使いますと上顎骨事態が前方へ成長発育能力を発揮し上顎前歯もそれにつれて前方に位置し、結果的に反対咬合が改善するようなことも少なくありません。従って、歯を抜くような治療とは別に、症状によっては子供に負担をかけず(それぞれの負担に思う感性は異なりますが)反対咬合の改善が行われることがあります。診ていませんのでこれ以上のコメントはさけます。
           一方、今しなければ手遅れのようになるかといえばそう断定できるものでもありません。教科書的には適切な時期というものはありますが、長く診てきますと患者さんが実際の治療を開始できるそのときが、まさに適切な時期と考えた方が、精神的にも安定性があり、よいと思われます。お父さんが心配するように今治すべき病気を第一に考え、その治療中に矯正治療を受けることができればそれでもかまわないかもしれませんね。このあたりの判断は是非矯正専門医に相談してください。心配であれば大学病院などで経験が豊富なキャリアーの長い先生に診てもらった方がよいでしょう。

          <もしこの時期に治療をするとすれば、その治療期間は?費用は?>
           前歯の位置を変化させて治すことでOKならば1年ぐらいでしょうか?、顎の成長発育の問題を改善するのであれば1−2年ぐらいたちませんとその効果の判定は難しいといえましょう。
           費用については色々です。相談だけをお願いして何件かを回ってみて比較したらよいと思います。ただしやすいからということで決めると後悔するかもしれません。今は患者さんが遠くともよい先生、相性が合う先生などを探してきます。私どものクリニックにも遠方からの相談者が数多くこられます(断っておきますが私がその先生に該当するというわけではありません。一般的な傾向です)。

          <おわりに>
           ようは複数の専門医に相談することがもっとも早い悩みの解決法と思います。タウンページやHP、知り合いからの評判などで探してください。また何かあればどうぞ。


      [296] Re[2]: 子供の矯正について 反対咬合をなおすわけ

      質問引用返信

        ・投稿者/ あんず -(2001/10/15(Mon) 19:18:37)
        ・U R L/

          早速の回答ありがとうございました。病院から紹介された矯正歯科の先生のところに
          相談の予約を入れました。思い悩んでいても仕方がないので 複数の先生のところを
          回ってみようかと考えています。 また悩んでしまったら 相談させていただきます。



    [165] 9歳の娘抜歯?非抜歯・?

    質問引用返信

      ・投稿者/ まつもと -(2001/04/14(Sat) 11:47:46)
      ・U R L/


         はじめまして。小学4年の娘ですが、2年生の中頃から矯正治療に通っております。 

        診断は、叢生と上顎前突ということで 歯列拡大の為の装置を1年入れた後 
        半年前からその後の治療についての選択をするように言われています。
         (今の歯の状態は、上が 6歳臼歯の前の歯だけ乳歯で それより前が永久歯に生え変  わってきています。前歯が大きく少し重なりがあり八重歯になっています。
          下の歯はすべて永久歯で重なりはほとんどありません)

        1.抜歯をせずに歯列を並べる
         (この場合こちらの希望である口元を下げることは無理で今と変わらない)

        2.上下4本の小臼歯を抜歯する
         (この場合理想の口元に下げることが出来子供の負担も少ない ヘッドギア等を使わな くてすむ)
         のどちらにするかで いまだに悩んでいます。  

        どちらにしても、治療を進めていくということで、先日 ブリッジ装着のための準備として上下奥歯にワッカをつけました。夏休みに装着予定です。

         そこで相談なんですが、1.の場合やはり口元は今より下がらないのでしょうか?
        これから、顎や骨、顔や頭の大きさも変化して行くことを考えると 多少、口元が出ていても気にならなくなるのでは?
         
        2.の場合、4本の抜歯によって噛む力や噛み合わせは大丈夫でしょうか?
        (担当の先生は抜歯してもしなくてもその点は同じで大丈夫とのこと)

        また、抜歯する時期は今がいいのでしょうか?(まだ、生えたばかりなので抵抗があるのですが・・・)

         ちなみに 下の歯は、ほとんど重なりが無いので上の歯2本だけの抜歯では?
        と相談した所、噛み合わせの問題があるので それなら、
        3.上の6歳臼歯を2本抜いて(その場合はすぐではなく何年か先)
          下は、親知らずを2本抜くという方法もある(この方法なら、口元を1.と2.の間  ぐらいに下げられる)
          と、言われましたがこの方法はどう思われますか?
         1.か2.で考えていたので ますます混乱しているところです。
                
        担当の先生は、それでも決められない場合は、しばらくヘッドギアを使うとおっしゃっていますが、今の状況で最良の方法をアドバイスしていただければと思います。
        よろしくお願いします。







      [166] Re[1]: 9歳の娘抜歯?非抜歯・?考えてしまいますね!

      質問引用返信

        ・投稿者/ 小石川矯正歯科クリニック -(2001/04/16(Mon) 10:58:24)
        ・U R L/ http://www.koishikawa.com

          <現在の状況とその処置に関連する事柄?あくまでも推測>
           小学校4年、女児、叢生+上顎前突、歯列の拡大のための装置を使用、現在にいたる。
           現在の処置は
          (1)叢生の量を軽減するためが主と考えられます。この処置は多くの場合、側方への歯列の拡大を目的として行われますが、歯列が拡大されますと下顎の歯列は少し顎を前方に位置させてかみ合うような傾向を示します。むろん上顎の歯列が拡大されるとその変化に同調して下顎の歯列も多少側方へ拡大されるとの論文もありますが量的にはわずかです。上のみの歯列の拡大ではやはり下顎は本来の位置よりも少し前方に顎を動かし、かみ合う傾向はあるようです。
           このような処置による成長発育中の変化は時として、
          (2)歯列を拡大することに関連して下顎骨の前方への成長が促され、下顎骨の前方成長能力が少し惹起されることがあります。そうなりますと上顎骨に対する下顎骨の前後的な位置は改善されますが、上顎前突症から、上下顎前突症といような口元の突出感が増悪化されることにもなりかねません。
           従って、現在の担当医は、活発な成長の能力を考え、これからの治療について説明を行う時期と判断されたのでしょう。賢明だと思います。

          <提示された治療計画について>
           抜歯、非抜歯での治療、またその中間案としての上顎6歳臼歯(第一大臼歯、6番)と下の親知らず(知歯ちし、8番)の抜歯、とのことですが、多くの矯正医はまつもとさんがはじめにお話された1と2のことを提示されるのではないかと思います。3番目の案については考え方としては成り立ちますが一般的ではありません。先生もご苦労されて考えたのでしょうね。
           さて、文面から、これから顔の成長発育が活発になり顎も変化するのであろうから今の時期に判断するのではなく、もう少し経ってから判断してもよいのではないか?ととれる悩みをしているようですが、私も迷っているなら少し待ってもよいのではないかと思います。顔が変わる活発な成長変化が生じる平均的な時期は女児では小学校5年ぐらいから中学校1年ぐらいです(男児では1年遅れです)。この間に顔、特に下顎骨の成長変化を観察し抜歯を伴わない矯正治療計画が選択できれば幸いです。このことに関連して、私自身お子さんの状況を把握しておりませんので何ともいえませんが、親御さんの考え方としては誤りではありませんので心配ならばこの時期での抜歯か?被抜歯か?の選択は様子をみたい旨、先生にお話し対応されたらいかがでしょうか。

          <質問に対するアドバイスのまとめ:あくまでも推測>
          1.抜歯をしないで処置:口元の突出感の改善はあまり期待できないと思います。
          2.抜歯処置によるかみ合わせ機能の低下の可能性:近年の研究結果、論文を見ますと抜歯、非抜歯処置による明確な差の報告はほとんど見当たりません。
          3.抜歯の時期:永久歯での治療をいつ頃から開始するかにより、また叢生の状態により決めることが多く、また先生の考え方にもよります。抜歯について不安であるならば、その旨、先生に伝え少し待ってもよいかもしれません。手遅れといような自体にはならないと思いますが?。
          4.今の状況で最良の方法のアドバイスを:診ていないので、やはりこれは難しいです。安易なアドバイスはできません。すみません。先生の治療内容、計画の話を聞き、親御さんや本人が(年齢的に難しさはあるものの)納得し、その状態で治療を受けるのがよい方法ではないかと考えます。最善という言葉を使うとしたらやはり診察しないと何ともいえません。また最善というのはひとつだけでなく複数存在することもありますのでこのような場合には、結果として選択した方法を最善と考えることも必要かなと思います。

          <参考>
           活発な成長発育中の上顎前突の治療に対しては、その成り立ち方により治療計画はことなります。
          1.上顎骨が過成長(かせいちょう、大きい成長能力)で上顎前突が生じた場合は、積極的に上顎骨の前方への成長発育能力を抑制するような処置を考えます。使用装置の代表はまつもとさんが最後に書いたようなヘッドギアーと呼ばれるものが多く使われます。
          2.一方、下顎骨の成長発育能力が弱く(劣成長れつせいちょう)その結果、上顎骨の前突が目立った上顎前突症ではむしろ下顎骨の前方への成長の能力を促し、改善するようなことも考えます。咬合斜面板(こうごうしゃめんばん)などはその代表例の装置です。
          3.1.2.の組み合わさった状況による上顎前突(上顎の過成長+下顎の劣成長)。このような場合には1.2.の治療法の組み合わせとなります。
           このように現れた異常が<上顎前突>という一つの言葉であらわされても、その症状の成り立ちにより使用する装置、方法もことなります。このあたりの説明をよく聞かれたらいかがでしょうか?。

          <用語>
          1.ブリッジーーーブラケット(ここの歯につけ、ワイヤーをそのものに結び付ける基本の装置、装置全体を通称マルチブラケット装置という)
          2.ワッカーーーバンド(たぶん金属のワッカのようなもの)、今ワッカをつけるということは、ヘッドギアーをつけて頂く予定かも知れませんね。

          では長くなりましたが、また何かあればどうぞ。


      [170] Re[1]: 9歳の娘抜歯?非抜歯・?考えてしまいますね!

      質問引用返信

        ・投稿者/ まつもと -(2001/04/18(Wed) 17:51:09)
        ・U R L/

          お忙しい中、詳しくお答え下さってありがとうございました。
          とても参考になりました。

           昨日、ちょうど診察日だったのでまだ迷っていることを伝えたところ やはり、しばらくヘッドギアーを使うとのこと。
          昨日は、先生もお忙しそうだったので他の話はできませんでした。
           (これから様子を見ながらやはり 1、抜歯をしないで並べる 2、小臼歯4本の抜歯
           のどちらかに決めたいと思います)

          そこでまた質問なんですが、うちの娘のような場合(叢生と上顎前突<参考>として書いていただいた1、上顎骨の過成長です。)

          1、の非抜歯では歯はどこへ動かして行くのでしょうか?
           ◎横や前に出してくる?
            その為口元が下がらない?(うちの娘は、上の前歯がとても大きくて真中2本が少し  前に出て目立ちます。犬歯も左右八重歯です。
            寝ているときも少し唇から2本見えている状態です。1、で治療した場合それはなく  なるのでしょうか?  

           ◎1番後ろの歯(6歳臼歯)の後方へ移動させる?
            その場合12歳臼歯はまっすぐ出てくるのでしょうか?

          2、の場合なら抜歯したスペースへ移動させて行くと思うのですが・・・。

           それと、抜歯をするとしたら まだ生えかけの今と1年後とでは痛さなど違ってきます か?また、歯の動かしやすさはどうでしょう?

           娘も、口元が下げられて大きな前歯も目立たなくなるのなら4本抜歯でも良いかな? 
           に考えが傾いてきています。

          担当の先生に聞けば良いことなのに、診ていただいていない小石川先生にお聞きするのは申し訳ないのですが、答えていただける範囲で結構ですのでどうぞよろしくお願いします。









      [171] Re[2]: 9歳の娘抜歯?非抜歯・?再度の相談いいですよ

      質問引用返信

        ・投稿者/ 小石川矯正歯科クリニック -(2001/04/19(Thu) 10:08:20)
        ・U R L/ http://www.koishikawa.com

          <上顎骨の過成長による上顎前突の治療を考えてみる>
           上顎前突の成り立ちが、上顎骨の過成長だということですので、年齢的にみて上顎骨の過成長の力を抑制していく、あるいは前方に成長する力を抑制することは適切なことと思います。
           非抜歯による治療計画を立てるとしますとまつもとさんが心配するような、あるいは疑問に思うようなことは当然出てきます。

          (1)非抜歯で行う場合、歯はどこへ動かすのか?(方向や量は?)
          非抜歯の場合、通常は上の現在の最後方歯(第一大臼歯、6番、6歳臼歯)を後方に移動させることが考えられます。この処置は(a)歯の生える隙間が足りない,(b)少しでも前歯の前突感(口元の突出感)を軽減したい、ということが主たる目的となります。従って、どのくらいの量、第一大臼歯を移動するかといえば、現在ある(問題となっている)叢生量を改善するだけの量的移動となるわけです。足りない量がわかりませんので、先生には何mmぐらいいどうするのですか?と聞けば、あーそのくらいの量かと理解できるでしょう。
           この場合、心配なのが第一大臼歯の後ろから生えてくる、第二大臼歯(12歳臼歯)、第三大臼歯(親知らず)への影響?。あまり大量に第一大臼歯を後方に移動してしまうと、第二、第三大臼歯の生える隙間がなくなってしまい横の方向や、2階家みたいに上下に重なってしまうのではないかという心配です。考え方としては、その通りです。従って現在の第一大臼歯をどのくらいの量、後方に移動するかの判断は難しくなります。大量に後方移動する場合には第三大臼歯(中には第二大臼歯)の早期の抜歯を行うことはあります(このような場合、歯肉やその下の骨を切除し第三大臼歯を除去することはあります、小手術)。どのくらい現在の第一大臼歯を後方にさげる(移動する)計画なのかを知っておきたいですし、また第二、第三大臼歯の将来的な処置についても尋ねておくとよいのではないかと思われます。
          (2)非抜歯での治療はそんなに大変なのか?
           非抜歯治療を計画する場合、あるいは判断する場合、次の項目をチェックし、総合的に判断します。
           a.歯がきれいに整然と配列するのに必要とされる隙間(スペース)の量
           b.上下のかみ合わせが前後的に正常でない量。
          判定基準は上下の第一大臼歯の正常な咬み合いが行われる場所に対しどのくらいの前後的なズレがあるかの量。お子さんの場合、下の第一大臼歯の位置が正常だとすれば、上の第一大臼歯(ヘッドギアーをつける予定の歯)を後方に何mmぐらい移動するかが、叢生の量の改善とは別に計画されることになります。
           c.上の前歯の歯の傾きに対する改善量
           上下の前歯の傾き度(傾斜角)にも、ある基準があります。一般的に上顎前突等の症状では上の前歯は唇側に過度の(正常でない)傾きが見られます。例えばその傾きを5度、後方に傾くようにしたいと思いますと、その処置だけでも叢生量が増悪化されます(2.5度の傾きの改善は叢生の量=きゅうくつさを1mm増すといわれています)。ようはさらに叢生量が増すということです。
           d.感覚的な要素を含む、口元の突出感の改善量
           上記のa.b.c.のチェック項目に加え、さらに口元を下げたいと思うと正常にかみ合う咬合状態であっても、をさらに後方に移動することを計画しなければなりません。このあたりまでくると専門的な説明を詳しく要するため文字での説明には限界を感じますので止めておきます。

           いいたいことは、お子さんの症状を総合的に解決するためには、単純に何mmぐらい歯を後方に移動すればよいという説明では足りないというこです。このあたりをよく先生に話を聞いてみて下さい。

          (3)それでも、もしかしたら非抜歯治療で行なえるかも知れないという理由?
           実は、何mm足りないかという単純な計算とは別に、この時期での治療を受ける重要な意味あいは、先に話しましたように顔(特に下顎)が活発なからだの成長発育とともに大量に変化するからです。例えば、上顎の前方に発育する成分をヘッドギアーなどで抑制し、逆に少し下顎が前方に成長し、さらに鼻の高さが増すような成長、オトガイ部(下顎の前方の部分、詳しくは辞書で)の前方への成長が出現してくるようであれば、歯の移動だけで口元の突出感を軽減するということよりは、これらの複合的な変化で口元の突出は変化することが予測されます。このような総合的な変化がどのように出現するかは、これからのお子さんの成長発育の能力と矯正治療による処置の組み合わせの結果に期待するしかありません。その意味ではヘッドギアーなどの処置は有効といわれています。
           抜歯するか否かは、このような理由から姑く様子をみてから決められた方がよいでしょう。

           抜歯をする時期についても、今ということでなく必要と判断された時期が最もよいと判断される方がよいでしょう。さらに抜歯時期が1、2年ずれても歯の移動速度、痛みなどには差異は見られないと思います。ただし、中学生の抜歯と成人期での抜歯による移動速度は異なる傾向は見られます(成人期での方が歯の移動速度は遅くなりがちです)。

          <おわりに>
           親が子供のことを心配するのは当たり前です。担当の先生に質問し話す機会を多く持ちましょう。心配があればどうぞ。お子さんの明るく爽やかなほほえみを。


      [172] Re[3]: 9歳の娘抜歯?非抜歯・?再度の相談いいですよ

      質問引用返信

        ・投稿者/ まつもと -(2001/04/20(Fri) 11:54:04)
        ・U R L/

          早速のお答え感謝致します。

           これからは担当の先生に積極的に質問して、納得のいく方法に決めたいと思います。
          また、相談にのっていただくことがあるかもしれませんがその節はどうぞよろしくお願い致します。ありがとうございました。


      [291] 抜歯非抜歯まだ迷っています

      質問引用返信

        ・投稿者/ まつもと -(2001/10/06(Sat) 17:39:39)
        ・U R L/

          お久しぶりです。
          前回の相談では詳しくお答え頂いてありがとうございました。
          たびたびの相談でお手数をおかけしますがよろしくお願いします。
          (前回までの相談の内容は省かせていただきます)

           その後、娘はヘッドギアを4ヶ月間使用して様子を見てきましたが(6歳臼歯の後方への移動)あまり後退せず、そろそろ抜歯か非抜歯かの選択をして仕上げに移るということになりました。
          (6歳臼歯から前がすべて永久歯に生え変わったということもあって)
          ところが、担当の先生にも質問をしてきましたが、何を基準に選択すればいいのか判断に迷っているところです。
           やはり、抜歯なら非抜歯よりきれいに仕上がるが、非抜歯なら口元が出た感じになるというのは変わらないようで、結局の所 見た目を重視するか歯の数をとるかになってくると思うのですが(極端ですが・・)まだ、10才という年齢でこれから顔も変わってくることを考えると(ヘッドギアのおかげかここ1年で多少口元が下がってきているように感じます)
          抜歯した場合としなかった場合ではどれほど違うのかが想像できませんし、又、見た目だけで判断して良いものかどうかも迷う所です。
          そこで質問なんですが、小石川先生のところではこういう場合(子供の、抜歯非抜歯のボーダーラインケース)患者さんにどういうアドバイスをされていますか?
          又、実際どちらを選択されるケースが多いのでしょうか?
          それから、今の時期に積極的に治療を進めることが大事(特に非抜歯ケース)ということを考えると
          まず、どちらかの選択をしてからでないと先に進めない(ブラケットをつけて)ということになるのでしょうか? 
          それと、非抜歯なら、将来後戻りということも考えられる?(こちらの相談を拝見していると)
          それなら、今抜歯選択の方が得策なのでしょうか?
          長々と書いてしまいましたがどうぞよろしくお願いします。


      [295] Re[5]: 抜歯非抜歯まだ迷っています

      質問引用返信


    [287] 871さんへ

    質問引用返信

      [288] 紹介していただけませんか?

      質問引用返信

        ・投稿者/ 871 -(2001/10/01(Mon) 11:33:41)
        ・U R L/

          ご丁寧な回答ありがとうございます。
          私は滋賀県・大津市に在住ですが、差し支えなければ京都・大津地区で矯正歯科をご紹介していただけないでしょうか?


      [289] Re[1]: 紹介していただけませんか?

      質問引用返信

        ・投稿者/ 小石川矯正歯科クリニック -(2001/10/01(Mon) 17:03:02)
        ・U R L/ http://www.koishikawa.com

          <連絡先:責任は持てませんが?>
           私はボランテイアという中立的立場でこの相談コーナーを担当しています。従って、871さんのリクエストに対しては複数の、多分該当するであろう先生方のリストのみをお送りします。御自身でよく確認され、どうするかを決めて下さい。リストの中には私がよく知っている先生もおられますが、誘導するようなアナウンスはしません。なお私の本名は小石川ではありませんので先方の先生に私の名前はおっしゃらないで下さい。
          1.成田先生 大津市 077-544-3701
          2.多田先生 大津市 077-522-4607
          3.鵜飼先生 大津市 0775-74-2418(女性)
          以上。


      [290] Re[2]: 紹介していただけませんか?

      済! / 質問引用返信

        ・投稿者/ 871 -(2001/10/01(Mon) 22:24:29)
        ・U R L/

          考え足らずの質問に熟慮の上のご回答、大変ありがとうございます。
          あとは自力でみつけます。
          ありがとうございました。



    [127] 妊娠、矯正。

    質問引用返信

      ・投稿者/ いろは。 -(2001/02/26(Mon) 10:36:51)
      ・U R L/


        25歳です、矯正をしたいと思っています。少なくても矯正は3年くらいかかると思います。結婚はするとしても、赤ちゃんは矯正期間中はあきらめるしかないのでしょうか??
        それか矯正を30代に遅らせてみた方がいいのでしょうか??赤ちゃんも矯正もって、
        無理な話しですか??


      [128] Re[1]: 妊娠と矯正。できるのでしょうか?

      質問引用返信

        ・投稿者/ 小石川矯正歯科クリニック -(2001/02/26(Mon) 13:13:02)
        ・U R L/ http://www.koishikawa.com

          矯正治療と妊娠:
           近年、矯正治療の社会的認知やかみ合わせと全身状態(健康状態)などの視点から成人期(矯正治療の分野では成人は20前後(高校性までの年令は成人期とはとらえられていないようです)以上の方を対象としています)での矯正治療の増加傾向が見られます。
           この時期の矯正治療の特徴としては次のような内容があります。
           1.若年者(小学校〜中学校、一応)に比べ歯の移動速度が遅い傾向を示すこと(若年者ではおおよそ1mm前後/月、成人期ではそれより遅いといわれています)、したがって若年者と同じような症状でも治療期間が長くなる傾向がある。
           2.また治療開始時点までの間、虫歯(専門用語はカリエス)、歯周病(ししゅうびょう、歯肉(しにく)がはれたり、歯みがき時に出血しやすい、歯肉がブヨブヨしている、歯のぐらつき(歯の根(歯根:しこん)を支えている歯茎の骨(歯槽骨:しそうこつ)の量が少なくなってしまっているためぐらつくことが多い)などの矯正治療開始前に処置しておくべきいくつかの症状が見られること。
           3.治療中、結婚、お見合い、転勤、転居、妊娠、結婚式への出席などなどいくつかの社会生活上の考え込んでしまうことがあります。いろはさんの場合、妊娠出産というテーマで質問をされましたが、結論をいいますと問題はないだろうと思われます。その理由は、矯正治療の内容(主に歯の移動という処置となりますが)が妊娠に影響するという明確な報告は多分(?)ないのではないかと思われます、また長年治療に携わった経験からも私は皆無です。
           とはいえ、注意することはあります。私なりのアドバイスを書きますと、

          <妊娠時の矯正治療に対する注意事項>
          1.精神的、肉体的なストレスが少ない日常生活を送ることを心掛けること
          2.矯正装置(おもにワイヤーと歯の面につけれれたボッチ(ブラケットとよばれます)のようなもの)の周囲の歯や歯肉部の清掃を確実に行うこと
          3.妊娠時には女性ホルモンの分泌量の増加がみられ、そのために妊娠性の歯肉炎という状態になりがちです。この状態は矯正治療における歯の移動にとってもマイナスなことが生じやすく(例:歯のぐらつきなどが増すことがあり、歯槽骨の骨量が減少するような傾向を示すこともあります)注意すべきことです。対応としては、歯ブラシを用いた歯肉のマッサージや食べ物の残りが歯や歯肉部にいつまでも残らないように食事後、歯みがきをする週間をつけることです。
          4.治療中のエックス線写真撮影歯できるだけさけるようにしたいものです。歯科で使用するエックス銭の線量は医科に比べ少ないといわれますが、どうしても必要である場合を除き避けれことが望ましいと思います。
          5.むろん、胎児や母体に対しても十分な栄養の補給や睡眠なども必要となることでしょう。その他にも、出産を予定される病院などへの定期的な検診、不安に思うことの質問などをされ、出産まで心穏やかな日常を過ごすように勤めることだと思います。御主人や周りの方にも気を使って頂くことも大切です。出産は一人で行う仕事ではありません。

          <私の経験>
           記憶にある方は8名です。はじめから治療中の妊娠を話された方、治療を開始して結婚、妊娠をされた方などです。いずれの方に対しても、上記の妊娠時の注意事項をお話し、またこちらで注意することは守りました。特に歯の移動に使用する力(矯正力:きょうせいりょく)は通常より少し弱く、またエックス線写真撮影は妊娠を伝えられた時点から出産後まではとりませんでした。
           治療中に結婚式を迎えられる方は(一部は参加する方)、結婚式の時には一時的に装置をはずし、落ち着いた時に再度装置を装着し治療の再スタートとしました。これと関連し舞台など芸能関係の方も一時的にはずし、また装置をつけるということをしています。大変なのですが、その方の人生にも関わることですので私の場合は仕方なくというよりは、むしろ積極的に一時的な装置の除去を勧めてもいます。
          お断りしておきますが、先生方の多くが私と同じ意見ではないと思います。

          <いろはさんへ>
           以上のアドバイス、私見をお読みになり、信頼のおける矯正医を捜され相談してみたらどうでしょうか?。また質問があればどうぞ。


      [129] 誤字

      質問引用返信

      [285] 妊娠中の矯正など

      質問引用返信

        ・投稿者/ 871 -(2001/09/30(Sun) 15:06:36)
        ・U R L/

          29歳の主婦で、矯正を考えています。(口全体が、モコッと出ている・・・チンパンジーのような口。歳をとる毎に目立ってきた気がするので、矯正によってスッキリと治したいと思っています)
          ・妊娠・出産時というのは、ただでさえ歯の抜け落ちや、劣化(?)が多いといわれます。
          矯正で締め付けているために、通常よりひどく歯が抜けたり 欠けたり するという割合は増すのでしょうか?

          ・妊娠とは別の話ですが、人間の歯は、歳をとるとともに、だんだんと空いてきますね?
          矯正時の抜歯の必要性は納得しているつもりですが、やはり抜歯した個所は、老後の歯の空き具合は、大きいのでしょうか?「若いときに抜歯して矯正したことのある年配の方」
          の例が知りたいです。(あまりいらっしゃらないとは思うのですが・・・)

          ・顎の間接について、口を大きく(できるだけ大きく)開閉する時に、顎間接(左右両方)が必ず「コキッ」となります。開時も、閉時も。今まで別に不自由したことも、顎が外れたこともあしませんし、むしろこれが普通だと思っていたのですが、そのままで良いでしょうか?矯正歯科の初心カウンセリングでレントゲン写真を撮った(口を閉じた状態のみ)時も、医師は特に何もおっしゃらなかったので、大丈夫かとは思いますが、念のため教えていただけませんか?


      [286] Re[3]: 妊娠中の矯正似ついて、顎の異和感?

      質問引用返信

        ・投稿者/ 小石川矯正歯科クリニック -(2001/10/01(Mon) 08:26:00)
        ・U R L/ http://www.koishikawa.com

          <症状と原因?、対策>
           29歳の女性、口元の突出、顎の開け閉め時にコキとの音?。
           
          1.口元の突出:
          これに対しては上下顎前突(じょうげがくぜんとつ=上下の顎の大きさが基準サイズより大きくそのために口元が突出している状態)や上下歯槽性の前突(じょうげしそうせいのぜんとつ=上下前歯の歯根を支えている部分の骨=歯槽骨(しそうこつ)が前方に傾斜しているため、上下の顎の大きさは基準的なものの口元の突出感が生じる)等のような症状だと思われます。原因は元々顎の大きさが大きくなるような成長発育能力を持っていたり、舌の大きさが大きくものを飲み込む時に舌が上下の前歯を後ろから強い圧力で押し、その圧力に唇を閉じる圧力が負けてしまうような状況があると前歯や前歯の歯根部の骨(歯槽骨)が前方に傾斜するような形になったりすること、その他の原因も挙げられますが、などによるます。
           このような口元の突出の改善については通常犬歯の後ろの歯、第1小臼歯(だいいちしょうきゅうし)と呼ばれる部位の歯が抜歯され治療が計画されることがあります。むろん、状況によっては、親知らずを抜歯し(一番奥に生えてくる歯)その前にある歯全てを後方に移動して治療することもあります。一部では、この治療法がすばらしいもののように書籍、雑誌などで取り上げられていますが、私達の先輩(少なくとも矯正歴26年以上私の矯正歴が26年ですから)のなかには当然のようにこのような治療を行ってこられた方々は少なくありません。ここでいいたいことは抜歯による方法も色々な方法があるということ(抜歯部位の違いなどを含め)です。詳しくは担当医とよく相談することです。
          2.顎の開け閉め時の音:
           多分典型的な下顎運動路の異常だろうと思われます。スムースな下顎運動(物を食べたり飲んだり、話したりする時の下顎の運動様相)が行われず顎のあたりに音がするということでしょう。放置しておくと顎の開け閉め時に口が開きにくい、少し痛い等の症状の出現が推測されるため矯正治療を通じて正状の軽減を図ることをお勧めします。原因の一つにかみ合わせの異常が挙げられます。

          <その他の質問:年令の増加(加齢かれい)に伴う歯、歯肉の変化。妊娠に伴う種々の変化?>
          3.加齢に伴う歯と歯の間の隙間の出現?:
           一般的な生物としての加齢現象としては歯肉も弱くなりますし、871さんが懸念するような隙間の出現は少なくありません。しかし、この傾向を押さえるための歯科医学の進歩により、また患者さん達の意識の向上(歯や歯茎=歯肉の健康を維持しようと考える傾向)などにより隙間の出現傾向は少なくなりつつあります。しかし人も生物ですから歯や歯肉の老化現象はあります。要はいかに歯の健康を意識して歯の健康管理を行うかどうかでそのような出現の出現年令をコントロールすることができるのではないかと思われます。年令が増すと=歯の隙間が出現するという図式は、患者さんの意識次第ともいえましょう。
          4.妊娠中の歯、歯肉の変化?歯が抜け安いのではないか?: 
           このことについては、871さんが以前私に相談された<いろはさん>の記事を読まれているようですから割愛します。結論的にいいますと、やはり少し、歯肉などの歯のまわりの組織が炎症を生じやすいような環境があるようです。従って。歯を磨くと同時に、歯肉のマッサージなども積極的に行い、カルシウムなどの補給にも気をつけた方がよいと思われます。妊娠中に歯がポロリと落ちる=抜けるようなことは考えられにくいです。もしそのような事例があったとしても、本当に妊娠によるものかの証明は大変難しいでしょう。いずれにせよ歯と歯肉の健康状態を維持するため、歯磨き歯肉のマッサージ、栄養、睡眠、ストレスの排除、等に気をつけて毎日を過ごすことです。

          以上。



    [277] 矯正と歯周病との関係

    質問引用返信

      ・投稿者/ まりえ -(2001/09/18(Tue) 00:21:13)
      ・U R L/


        30歳代後半の女性です。1年前に矯正歯科医に見て頂いたところ、歯並びが悪いのはもちろんですが、歯周病が進んでおり、まずは歯周病を治してからということで、今年の8月まで約1年かけて、歯周病の治療を受けてきました。(上下左右4回の歯茎切開による歯石とり、プラークコントロール等、等)
        改めて診察して頂き、今年の11月にやっと装置を取り付けられることになったんですが、
        気になること、不安な事があります。
        (1)奥歯は若干まだ動揺があるのですが、治療に影響はないでしょうか。(途中で抜け   たり、歯周病が再発して治療を断念しなくてはならない状態になる可能性があるの   でしょうか?)
        (2)歯茎がだいぶ落ちているので、矯正後も歯と歯の根本の隙間は残ると言われまし    た。矯正後でもいいんですが、これを埋める手段はあるのでしょうか?
        (3)矯正のために上下左右計4本抜歯しますが、上記(1)の状態になった場合、抜い   たところはどうなってしまうのでしょうか?
        (4)そもそも、このような状態(歯周病だが、現在は症状が止まっている状態)で矯正   治療をしてもいいものでしょうか?
        先生にはお忙しいと存じますが、ご回答のほどよろしくお願いします!


      [278] Re[1]: 矯正と歯周病との関係.いよいよ矯正治療を開始?

      質問引用返信

        ・投稿者/ 小石川矯正歯科クリニック -(2001/09/18(Tue) 11:13:12)
        ・U R L/ http://www.koishikawa.com

          <現在の症状と関連する要因(原因?)>
           三十歳代の女性。症状の記載がありませんが、後半の文章の中に永久歯4本の抜歯による治療計画とのことですから、叢生(そうせい:永久歯が整然ときれいに、重なり合もなく生え揃うような状況でなく、歯の生える顎の大きさと歯の大きさのバランスが不調和の状態などの様子.重なりあった歯、ねじれた歯の存在がある)の症状はあるのだと思います。さてこのような状態ですと、歯と歯の間が磨きずらかったり、かさなりあっている歯の歯肉が腫れやすかったりするような、いわゆる歯周病などとよばれる症状におちりやすくなるともいわれております。患者さんの食べ物や飲み物の嗜好(しこう)、歯磨きの習慣、日常生活におけるストレスの程度、体質、など色々な条件が重なりあって歯周病が出現していると考えた方がよいと思います。
           ここでいいたいのは、歯並び、かみ合わせの悪さ=歯周病の出現というような単純な構図ではないということです。従って上に挙げたいくつかの歯周病の原因、特に生活習慣などには気をつけなければならないでしょう。
           
          <矯正治療をはじめる直前、今の心配について>
           先生に指摘されたように、歯周疾患の改善と歯や歯肉の健康状態の維持方法は修得されたとのことですね。いよいよ矯正開始という段になり心配なことがいくつかという。4項目の質問ですので回答というよりはアドバイスです(特に診察しておりませんので推測も入ります)。
          (1)奥歯の動揺:
           その程度にもよりますが、デンタルエックス線写真などの撮影、歯と歯肉の付着状態などの診査により、その歯が矯正治療による歯の移動にたえうるかどうか?のある程度の判断ができると思います。またそのような診査により心配は軽減されるとも思います。歯の移動量、方向、移動形式(傾けながらの移動か、平行移動的な移動かというようなこと)。状況によっては、あまり移動することは得策でないいと判断もつくかも知れません。そのような判断となれば、その歯が、即、抜けるということでなく、どのようにその歯の健康を維持するかというようなことにもなり矯正装置を積極的につけないことも考えられます。ケースバイケースです。
          (2)歯茎が下がるようで、歯と歯の隙間が残ることを心配:
           特に成人と呼ばれる20歳前後憩うの年令群の患者さんには特徴的に見られることです。たぶん、まりえさんのように前歯のあたりに歯の重なりあいがあるであろうと推測される方は、歯がきれいにそろってくると歯と歯の間のすきまが気になりはじめます。考えてみますと、歯はほとんど台形の形をしており歯がきれいに並ぶと歯肉があるところが、当然すいてしまうようになります。特に歯肉が下がっておらない場合には、その隙間を歯肉がうめますが、そうでないような場合には、治療後隙間が目立ってきてしまいます。このような改善に対しては、歯の形を台形からできるだけ長方形にするように歯と歯のコンタクトする部位をスライスという処置(うすい金属のかみやすりのような器具で形をかえる処置をいう.コンタクト部位のを削る量は0.1〜0.2mm程度)を行うことが多いようです。このことにより隙間をできるだけ減らします。また、歯肉を上の方に再付着させるための歯肉の手術方法も考えられます。先生に相談したらどうですか?。
          (3)抜歯した後のそのスペースはどうなるのか?:
           歯に移動により、閉じます。
          (4)そもそもこのような状態で矯正治療をすることについて、そこまでしてする   意義を確認したい:
           薬を例に取ります。薬は病的な状態を改善しますが、副作用もあります。でも其の薬を使用することにより、得られるプラスの効果があるから使う訳です。矯正治療も同じで、100%プラスの効果ではありません。長い間矯正治療に携わってきますと、マイナスの効果も説明し、差し引きプラスになることで治療を開始することになります。まりえさんの例では4本の永久歯の抜歯=4本歯が減ってしまう=でもそのことにより残された歯の長期の健康度の維持力があがる、咬んだり飲んだり喋ったり、口元のきれいさによる相手への表現がプラスとなる、など、などいくつかの治療終了後に得られることの想像的なプラスと生体の一つの器官としての歯並びにによる健康度などを考えあわせ、再度ご自身で決められることです。治療をしてもいいのでしょうか?ということについては診ていませんのでコメントはできせん。ただ治療をどうしようかと考える時の、考え方についてのコメントです。

          では。


      [279] Re[1]: 矯正と歯周病との関係.いよいよ矯正治療を開始?

      質問引用返信

        ・投稿者/ まりえ -(2001/09/18(Tue) 23:07:43)
        ・U R L/

          アドバイスありがとうございました。
          歯並びの悪さ、またそこから来る歯周病等により、長年歯と口に関してはコンプレックスを抱いていました。一念発起し自ら矯正歯科の門をたたいた結果が、さんざんたる結果で、1年かけて治療したものの、当初の意志がくじけかけていたようです。矯正治療を乗り越えた先の、輝く笑顔の自分の人生を再び思い描いて、前向きに矯正治療をとらえて行きます。またご相談させて頂きますのでその時は宜しくお願いします。ありがとうございました。



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